オーストラリア大陸の南部に位置するメルボルンには四季があり、6月~8月が冬にあたります。メルボルンの冬は、東京の真冬ほど気温は下がらないものの、曇り空や通り雨が降る日が多く、実際の気温よりも寒く感じます。今回は、メルボルンでの冬の楽しみ方をご紹介します。

Mork. Photo by Kristoffer Paulsen.
モーク・チョコレート・ブリューハウス ©Mörk Chocolate Brew House

極上のホットチョコレートでほっこり温まる

冬に欠かせない飲み物といえば、ホットチョコレート!
ノースメルボルンにある「モーク・チョコレート・ブリューハウス(Mörk Chocolate Brew House)」は、原材料の品質とトレサビリティを追求した、ホットチョコレートの専門店です。
店内では、カカオ配分の違うホットチョコレートやココナッツミルクを使ったビーガンのホットチョコレートなど、様々なホットチョコレートが楽しめますが、中でも特に人気なのが、「キャンプファイヤー・ホットチョコレート」です。メープルの煙が注入されたグラスに、カカオ分70%のダークホットチョコレートを注ぎ入れ、炭の香りがする塩を振りかけて、マシュマロを浸しながらいただくというもので、その名の通り、キャンプファイヤーでマシュマロを焼きながらホットチョコレートを飲んでいるような気分を味わうことができます。


美術館や博物館を訪れる

冬の寒い日に雨が降ると、外を歩くのも億劫になってしまいます。そんな日には、美術館や博物館を訪れましょう。
「ビクトリア国立美術館(NGV)」は、オーストラリアでは最も歴史が長い美術館です。サウスバンクにある本館のNGVインターナショナルには、古代文明の遺物から、絵画や彫刻、工芸品、そして斬新なモダンアートまで、世界中から集められた様々な芸術作品が展示されています。また、フェデレーションスクエアにある分館のイアン・ポッター・センターには、先住民のアボリジニアートを含むオーストラリアの芸術作品が展示されており、こちらも見逃せません。

イアン・ポッター・センターがあるフェデレーションスクエアには、「オーストラリア映像博物館(ACMI)」という、映画やテレビ、ビデオゲームといった映像文化に関する博物館もあります。映画の台本や衣装、映写機などが展示されているほか、体験型の展示も多く、お子様連れの方にもおすすめです。入場時にボール紙でできた「レンズ」を受け取り、気に入った展示物にそのレンズをかざすと、情報が保存され、家に帰ってから、展示物に関するさらに詳しい情報にアクセスできるようになっています。


NGV ©Mami Takada
ビクトリア国立美術館 ©Mami Takada
The Graham Hotel ©Mami Takada
ザ・グラハム・ホテル ©Mami Takada

暖炉のあるパブでロングランチ

暖炉のあるパブで、ゆったりとくつろぎながらランチをいただくのも、冬ならではの楽しみです。
ポートメルボルンにある「ザ・グラハム・ホテル(The Graham Hotel)」は、1870年に創業した由緒あるパブ。昔ながらのレトロな雰囲気を残しながらも、店内はスタイリッシュで居心地が良く、温かくてフレンドリーなサービスも魅力です。
ザ・グラハム・ホテルは、食事の美味しさにも定評があります。ファインダイニング顔負けのモダンオーストラリア料理から、ハンバーガー、フィッシュ&チップス、ステーキといったパブの定番料理まで、メニューの幅が広いのも嬉しいところ。暖炉の揺らめく炎を眺めながら、ワインやビールを片手に、ゆっくりと食事を楽しみましょう。



夜はクールな隠れ家バーへ

メルボルンには、路地裏にひっそりと佇む隠れ家のようなバーがたくさんあります。
ゴミ箱が並ぶ袋小路の奥にある「アーレキン(Arlechin)」は、まさに隠れ家という表現がぴったりのバー。この場所にバーがあると知らなければ、見つけるのが難しいかもしれません。

路地からドアを開けて店内に足を踏み入れると、そこは別世界。リキュールの瓶がずらりと並ぶ大理石のバーカウンターがあり、その奥には、ヨーロッパのワインセラーを思わせるようなお洒落な空間が広がっています。
アーレキンでは、バラエティに富んだワインの他、カクテルも豊富です。そして、アーレキンが、他の隠れ家バーと一線を画しているのは、お酒だけではなく、お腹も満たしてくれるというところ。イタリア風のおつまみや軽食がとても美味しいのです。
メルボルンならではのお洒落な隠れ家バーで、冬の長い夜を過ごしてみてはいかが?

Alechin ©Mami Takada
アーレキン ©Mami Takada
Her Majesty Theatre ©Mami Takada
ハー・マジェスティーズ・シアター ©Mami Takada

美しい劇場でミュージカルを鑑賞

古くから観劇の文化が根付いているメルボルンでは、毎年、いくつもの劇場で、世界的に有名なミュージカルの公演が行われます。2021年7月現在、プリンセス・シアターではハリーポッターと呪いの子(Harry Potter and the Cursed Child)が、そして、ハー・マジェスティーズ・シアターではアナと雪の女王(Frozen)が公演中。また、2021年8月からは、リージェント・シアターで、ムーラン・ルージュ(Moulin Rouge!)の公演も始まります。

メルボルンには、歴史的建造物に指定されている美しい劇場も多く、中でも、プリンセス・シアターとリージェント・シアターは、内装も豪華で、優雅な雰囲気が味わえます。少しドレスアップをして、ミュージカル鑑賞に出かけてみてはいかが?

■ 高田 真美プロフィール

美味しいものと旅行が大好きなメルボルン在住のトラベルライター。訪れた国は現在81ヶ国。
著書「素敵でおいしいメルボルン&野生の島タスマニアへ」(イカロス出版)
ブログ「メルボルン美味しい生活」:https://sowhat99.exblog.jp/
ブログ「SOWHATの世界旅日記」:https://world-travelogue.com/?cat=17