豊かな自然に恵まれたオーストラリアは、アウトドア・アクティビティがとても盛んな国。ビクトリア州にも、気軽にアウトドアを楽しめる場所がたくさんあります。今回は、メルボルンから日帰りで行けるハイキングスポットをご紹介しましょう。

Organ Pipes National Park
オルガン・パイプス国立公園 ©Mami Takada

オルガン・パイプス国立公園(Organ Pipes National Park)

メルボルン国際空港の西に広がる「オルガン・パイプス国立公園」は、メルボルンから北東へ約20キロと距離的にも近く、気軽にウォーキングが楽しめる国立公園です。
オルガン・パイプス国立公園の見どころは、パイプオルガンのような柱状の岩が連なる壮大な岩壁です。この岩壁は約100万年前にこの地域で起こった火山活動により形成されたもの。溶岩流が冷え固まる過程で柱状に割れ目が入り、その後の浸食により、地下に埋もれていた柱状の岩層が地表に現れました。

パイプオルガン状の崖沿いにはジャクソンズ・クリークという小川が流れ、ユーカリの木が茂る渓流沿いの遊歩道を散策できるようになっています。
散歩感覚で簡単に歩くことができるオルガン・パイプス国立公園は、小さなお子様連れのファミリーにもおすすめです。ピクニックテーブルも設置されていますので、お弁当を持参して訪れましょう。

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ウェリビー渓谷州立公園(Werribee Gorge State Park)

野性味溢れる大自然の中を思いっきり歩きたいという方には、メルボルンの西に位置する「ウェリビー渓谷州立公園」がおすすめです。
起伏に富んだウェリビー渓谷では、ごつごつとした岩場や崖、谷間を蛇行するウェリビー川、ユーカリが茂る森、大パノラマが広がる展望スポットなど、景色の変化に富んだハイキングが楽しめます。ウェリビー渓谷サーキットウォークというハイキングルートでは、ロープにつかまりながら崖面を通り抜けるというスリル溢れる体験も待ち受けています。

いずれのウォーキングトラックも中級レベルで、若干足場が悪いエリアもありますので、しっかりとしたウォーキングシューズを履いて出かけましょう。
ウェリビー渓谷州立公園へは、メルボルンから車で約1時間。近くにあるバッカスマーシュという町は果物の産地として有名です。メルボルンに戻る途中に果樹園の直営ショップ立ち寄ってみるのも楽しいでしょう。

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Werribee Gorge
ウェリビー渓谷州立公園 ©Mami Takada
You Yangs
ユーヤン・リージョナルパーク ©Mami Takada

ユーヤン・リージョナルパーク(You Yangs Regional Park)

メルボルンの南西にユーヤンと呼ばれる丘陵地帯があります。見渡す限り続く平原の中にぽっかりと浮かんだ島のように見えるユーヤンは、その大部分が「ユーヤン・リージョナルパーク」という自然公園となっています。
ユーヤン・リージョナルパークの魅力は、個々の体力に合わせて、誰もがアウトドアを楽しめるようになっているところ。ウォーキングトラックの他、マウンテンバイク専用のトラックもあり、またピクニックエリアやバーベキューの設備も整っています。

山頂のフリンダースピークまで登る往復約3キロのウォーキングトラックと、山頂付近をぐるりと一周する約4.5キロのイーストウェスト・ウォークは、特に眺望が素晴らしく、爽快な気分を味わうことができます。
ユーヤン・リージョナルパークへは、メルボルンから車で約50分。お弁当やバーベキューの材料を持参して、丸一日アウトドアを楽しみましょう。

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ハンギング・ロック(Hanging Rock)

メルボルンから北西へ車を走らせ約1時間、マセドン山脈の一画に位置する「ハンギング・ロック」は、奇妙な形をした巨岩群で形成された岩山です。にょきにょきと地面から生えたような巨岩群は、この場所が活火山だった約620万年前に出来たもの。その後、火山自体は風化して消滅し、巨岩群が林立する岩山となりました。
ハンギング・ロックの頂上まで登るサミット・ウォークは、往復約2キロの短いコースですが、勾配の急な箇所もあり、ちょっとした登山気分を味わうことができます。かつてはアボリジニの聖地でもあったハンギング・ロックは神秘的な雰囲気に満ちた場所。頂上からは素晴らしい景色が望めます。
ハンギング・ロック周辺は、ワインや農畜産物など特産物も多く、グルメエリアとしても知られています。近くには、ワイナリーやジンの蒸留所、クラフトビールの醸造所もありますので、試飲に立ち寄ってみるのも楽しいでしょう。

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Hanging Rock
Mornington Peninsula coastal walk
モーニントン半島コースタル・ウォーク ©Mami Takada

モーニントン半島コースタル・ウォーク(Mornington Peninsula Coastal Walk)

海辺のハイキングを楽しむなら、メルボルンの南にあるモーニントン半島へ向かいましょう。モーニントン半島南岸部は、荒波によって浸食されたダイナミックな景色が楽しめる場所。ケープシャンクからモーニントン半島先端部まで約30キロに渡る海岸線が「モーニントン半島コースタル・ウォーク」というハイキングコースになっています。

海岸線が一望できるフィンガルビーチ・ルックアウト、サーファーに人気のガナマッタビーチ、小さな入江が次々と現れるピアーシズビーチ周辺、浸食された岩や崖が美しいダイアモンドベイ周辺は、コースタル・ウォークの中でも特に景色が素晴らしくおすすめのスポットです。
ワインの産地としても知られるモーニントン半島へは、メルボルンから車で約1時間。コースタル・ウォークを歩いた後は、ワイナリーを訪れたり、近くにある温泉施設ペニンシュラホットスプリングスでのんびりと寛いでみてはいかが?

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より詳しい情報はビクトリア州政府観光局公式ホームページやSNSをご覧ください。

■高田 真美プロフィール
美味しいものと旅行が大好きなメルボルン在住のトラベルライター。訪れた国は現在81ヶ国。
著書「素敵でおいしいメルボルン&野生の島タスマニアへ」(イカロス出版)
ブログ「メルボルン美味しい生活」:https://sowhat99.exblog.jp/
ブログ「SOWHATの世界旅日記」:https://world-travelogue.com/?cat=17