メルボルンは別名「ガーデンシティ」と呼ばれるほど、緑が豊かな町。街中に点在する庭園や公園が人々に癒しの空間を提供しています。今回はメルボルンとその近郊にある美しい庭園や公園を5か所厳選してご紹介します。

Carlton gardens
カールトン庭園

カールトン庭園(Carlton Gardens)

メルボルンを代表する庭園として、真っ先に名前が挙がるのが、シティの北東部に隣接するカールトン庭園。
大木の並ぶ並木道を通り抜けると現れるエレガントな噴水と王立展示館、そして四季折々の花が咲く花壇も美しく、まるでヨーロッパの宮殿を思わせるような優雅な雰囲気に満ちた庭園です。
庭園の中央に建つ壮麗な王立展示館は、1880年に開催されたメルボルン万国博覧会のために建てられた歴史的建造物で、庭園と共にユネスコの世界遺産に登録されています。
また、庭園内にはメルボルン博物館もあり、ビクトリア州の自然や文化・歴史に関する展示を見学することもできます。カールトン庭園は、リトル・イタリーとして知られるライゴンストリートやお洒落エリアとして人気のフィッツロイからもすぐ近く。観光客の方にも是非足を運んでみていただきたい美しい庭園です。

フィッツロイ庭園(Fitzroy Gardens)

州議事堂や聖パトリック大聖堂などの歴史的建造物も多く、上品な街並みが魅力的なイーストメルボルン。そんなイーストメルボルンの街並みに、緑豊かな安らぎの空間を与えているのがフィッツロイ庭園です。
フィッツロイ庭園を訪れると、そのしっとりとした美しさに心を奪われることでしょう。英国国旗を模して放射状にレイアウトされた並木道と、青々とした芝生の美しさがとても印象的。26ヘクタールにおよぶ庭園内には、いくつもの噴水や彫刻、ロタンダなどが点在し、スペイン風建築の温室の中では、四季折々の花が咲き乱れています。
また、英国ヨークシャー地方から移築されたキャプテン・クックの生家もあり、内部見学も可能です。
フィッツロイ庭園は、シティから歩いてすぐ。メルボルン滞在中に、散歩がてら訪れてみてはいかがですか。

Fitzroy gardens
フィッツロイ庭園
Royal Botanic gardens
ビクトリア州王立植物園

ビクトリア州王立植物園(Royal Botanic Gardens Victoria, Melbourne)

クトリア州王立植物園は、1846年に設立された由緒ある植物園。ヤラ川の南岸に位置する38ヘクタールもの広大な敷地内には世界中から集められた約8500種を超える植物が植えられています。
園内には木性シダが茂る森や大きな湖もあり、ここはまさに都会の中のオアシスのような場所。小鳥のさえずりが響き渡る中で、たくさんの人が、ベンチに座ってくつろいだり、芝生の上でピクニックを楽しんだりしています。
広大なビクトリア州王立植物園には10か所の出入り口がありますが、初めて訪れる方は、戦争慰霊館の近くにあるオブザーバトリー門から入場するのがおすすめです。オブザーバトリー門へは、シティからプリンセス橋を渡り南へ約1キロ半。徒歩もしくはトラムでアクセスすることができます。

アルバート・パーク(Albert Park)

アルバート・パークは、メルボルン市内の南に位置する大きな公園です。ここは、F1グランプリの会場となっている場所になり、テレビ中継で美しい公園の映像をご覧になったことがあるかもしれません。
225ヘクタールにおよぶ広大なアルバート・パークの真ん中には、大きな湖が横たわっており、ブラックスワンなど多くの水鳥が生息しています。湖の周りに設置された1周約5キロの遊歩道からはシティの高層ビル群を見渡すことができ、ランニングやウォーキングを楽しむ人たちにも人気のスポットです。

湖畔にはピクニックエリアも数か所設置されていますので、BBQやピクニックを楽しんだり、ボートやカヤックをレンタルして、湖上に繰り出してみるのも楽しいでしょう。
アルバート・パークへは、シティから南へ約3キロ。トラムの利用が便利です。

Albert Park
アルバート・パーク ©Mami Takada
Cranbourne gardens
クランボーン王立植物園 ©Mami Takada

クランボーン王立植物園(Royal Botanic Gardens Victoria, Cranbourne)

メルボルン郊外のクランボーンに、もうひとつ王立植物園があることをご存知でしょうか?
クランボーン王立植物園の見どころは、オーストラリア原産の植物を集めた「オーストラリアン・ガーデン」という庭園です。15ヘクタールの広い庭園内には、日本では見ることのできない珍しい植物が数多く植えられており、エキゾチックな花を咲かせています。また、オーストラリアの風景をイメージした造園デザインが素晴らしく、オーストラリア大陸各地を旅しているような気分を味わうことができます。
オーストラリアン・ガーデンは、363ヘクタールにわたる広大なクランボーン王立植物園の一部です。

美しく造園されたオーストラリアン・ガーデンの外側には、自然のままの森や草原が残されており、ブッシュウォークも楽しめるようになっています。
クランボーン王立植物園へは、メルボルンの中心部から車で約45分。少し距離はありますが、足をのばす価値のあるユニークな庭園です。

オーストラリア本土のなかでも最も面積が小さいビクトリア州は、山や海の大自然もすぐそばにあります。次の旅行先ではツアーに参加したり、セルフドライブしながら大自然を満喫してみませんか。
詳しい情報はビクトリア州公式ホームページやSNSをご覧ください。

高田 真美プロフィール

美味しいものと旅行が大好きなメルボルン在住のトラベルライター。訪れた国は現在81ヶ国。 著書「素敵でおいしいメルボルン&野生の島タスマニアへ」(イカロス出版)
ブログ「メルボルン美味しい生活」:https://sowhat99.exblog.jp/
ブログ「SOWHATの世界旅日記」:https://world-travelogue.com/?cat=17